なかま通信

No.57 2019年10月1日号を発行しました!

 

私の心の何分の一かは、少女漫画でできていると思う。大学に入るまで漫画雑誌を読みふけっていた。少女漫画によって「女の子は可愛げがあるのが一番」とか「“王子様”に見初められて幸せになる」とかのジェンダー規範をしっかり刷り込まれた一方で、同性同士の恋愛や親からの虐待、児童買春といった、その頃は存在しないことになっていたテーマも、漫画を通じて取り込んでいった。当時、漫画はマイナーな表現手段だったから、一般受けしないテーマでも、あまり規制を受けずに描かれていたのだろう。

 

しかし私が少女漫画に惹き付けられたのは、そのテーマ性ではなく、「素敵!」というワクワク感だった。主人公の魅力的な表情(何度もノートに写し取った)や、フリルが幾重にもかさなって透けるドレスの美しさだったりした。新鮮な視覚表現にうっとりしながら、いざなわれるのは作り手も読者も女性が主役のアナザー・ワールド。そこで、少女が周囲に反対されても好きなことに打ち込んで、何にも代えがたい満足感を得たり、憧れの男性が主人公の行動に心を動かされて、彼女のサポーターになる、といった物語に親しんだ。主人公たちはかっこよかった。また切なかった。

 

フェミニズムという言葉は知らなくとも、「いろいろあるけれど、自分が好きなことを、言ったりしたりしようよ」というメッセージを少女漫画から受け取っていたと思う。

 

今回のなかま座談会では、漫画(主に少女コミック)から受けとったフェミニズムについて、スタッフで話し合ってみました。

 

No.56 2019年4月1日号を発行しました!

 

私たちは今、13年ぶりに東京で開催する「第18回フェミニストカウンセリング学会全国大会in東京」(2019525~26日ウィリング横浜にて)の準備に取り組んでいます。

 

シンポジウムのテーマは、「フェミニストカウンセリングを次世代にどう繋げるか~多様性・少数性を尊重しつつ~」。

 

シンポジストの方々とのミーティングや会場施設視察など準備を進めるにつれて、東京開催を決めた1年前よりも気の重さがなくなり、代わりにわくわく感が高まってきています。今の日本では「フェミニスト」や「フェミニストカウンセリング」という言葉が浸透する一方で、特にインターネット上ではこれらの言葉がネガティブなイメージとともに語られることも多く、無力感に襲われることもたびたびあります。こんな時だからこそ、全国大会の開催に向けて、私たちは以前よりも増して顔を合わせ話し合う機会を大切にし、自らをエンパワーしているのだと感じています。

 

No.55 2018年10月31日号を発行しました!

 

 このところ人権が基本から揺さぶられる出来事が相次いでいる。東京医大の女子受験生一律減点の報道、「新潮458月号に寄稿された杉田水脈議員の性的少数者を差別する記述である。

 

 東京医大は女子受験生の点数に係数をかけて一律に減点して合格者数を抑制していた。女性は結婚や出産で医師を辞める例が多く、激務に耐えられない、というのがその理由であった。女性の社会への参加をその入り口で理不尽に奪っていく許し難い行為といえる。一方、水田議員の発言では同性カップルは子どもを作らない、つまり「生産性がない」といった発言をしている。

 

 まだこのような事がまかり通っているのかと思うと心が冷たくなっていく。ただ新聞・ネットに次々と語られる反論、意見、当事者の声の多さに力づけられてもいる。女性受験生への対応として弁護団が組まれた。ここから女性差別の構造が明らかになってくることだろう。ロバート・キャンベル東大名誉教授は自分が同性愛者であることを公表した上で「ふつうにここにいて幸福である」と語っている。

 

 そんなときTVからケンドリック・ラマーのラップが聞こえてきた。「われわれは大丈夫だ」と歌っている。貧困、暴力に音楽で批判してきたラマーのピューリッツァー賞受賞である。前回#MeTooムーブメントを巻き起こすきっかけとなったこの賞が、次にどういう議題を提供してくれるのか楽しみになってきた。

 

 

 

No.54  2018年4月30日号を発行しました!

 

  SNSを使って性的被害の体験を共有する「#MeToo(私も)」運動が広がっています。昨年、アメリカのゴールデングローブ賞の授賞式で、ハリウッドの女優たちが、映画業界にはびこるセクハラに抗議して黒いドレスを着たことが話題を呼びました。さらに、この運動に勇気を得たとしてアメリカの体操の金メダリストが、twitterでチームドクターからの性虐待を告発し、それに伴い100人を超える被害者が声を上げました。スポットライトのもとで、堂々と胸を張って性暴力撲滅を訴える女性たちの勇気ある姿が社会に与えたインパクトは大きいでしょう。

 

実はこの運動、11年前に黒人女性のタラナ・バークさんが、差別や偏見の元、恵まれない環境下で社会の隅に追いやられていた性暴力被害者に、「あなたは一人じゃない、傷が癒される日は必ずくる」とメッセージを送った“Me Tooムーブメント”がきっかけでした。こうした地道な草の根の活動が、社会のうねりとなって今の運動につながったのです。

 

しかし、まだ日本では、性被害を受けた女性たちが胸を張って連携できる現状ではありません。この大きなうねりを、日本でどのように広げていけるのか…。まさに、それが今の私たちに突きつけられている課題のように思います。

2018年4月30日

 

 

 

詳しい内容はバックナンバーをご覧ください。

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